税務調査の疑問・質問(基本編)

事業をやっていると避けて通れないもの、それが税務調査です。税務調査は数年に一度で、しかも本業に関係ないことですので、お客様から疑問・質問を沢山受けます。そんな中でよくある質問を8個ほどピックアップしてQ&A方式で私見もまじえて回答していきます。

Q1.税務調査にノルマがあるの?

公式にはノルマは無いと言っていますが、実際は次の評価ポイントがあるようです。
≪プラス評価≫
  ① 重加算税の対象となった調査件数
  ② 追徴税額・増差所得等の額
  ③ 源泉徴収もれの発見件数
 尚評価度合は、①>②>③となることが多いようです。
≪マイナス評価≫
  ① 調査件数不足...調査官は年間の調査計画に基づいて調査しますので、計画未達ですと評価が下がるようです。概ね調査官一人1週間に1件が目途のようです。

Q2.法人税の調査に入る割合は?

国税庁の公表資料によると、平成23年の申告法人数は約270万社で調査件数は12万9千件です。従って率にして4.8%程度であり、統計的には20社に1社の割合となります。
 

Q3.20社に1社ということは20年に1回ということですよね?

中小企業庁の資料http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/ で平成18年の資料を読み解くと開業5年の企業生存率は50%となっています。また、国税庁の資料によると黒字法人は約3割と公表していますので、20年×50%=10年 さらに 10年×30%=3年ということで、その法人の状況により3年~10年に1回ということが推量できます。

Q4.法人税の調査でどのくらい非違事項が生じているの?

国税庁の平成23年の公表資料によると約129千件の調査で約92千件の非違が認められています。つまり調査に入ると7割以上が修正申告や更正等をしていることになります。また、1件あたりの追徴税額の平均税額は約169万円です。なお、重加算税が課された件数は25千件で約2割になります。

Q5.税務調査における立証責任とは

税務調査は、調査官が確認したい事項を納税者に質問して、納税者はその質問に答える形式です。確認したい事項は、帳簿等に記録されている根拠、つまり過去における事実です。この事実に対する立証責任(事実を説明する責任)は納税者側にあります。一方で、その事実に基づいた処理が違うという指摘事項の立証責任は課税庁側にあります。従って事実の説明ができないと通らない可能性が高くなりますので普段から準備が必要です。

Q6.調査先はどのように選定するの?

一般的な調査は、国税庁の「KSK」といわれる法人の申告内容等を管理しているデータベースから機械的に調査対象法人がピックアップされ、その中から調査官が選定し、最終的に各部門の統括官が承認することで調査先を選定することが多いです。

Q7.選定対象となりやすい調査先は?

課税庁は毎年、重点調査業種を指定します。この重点調査業種は調査に入られる確率が他の業種よりも高くなります。その他には、例えば次のような項目が過去の決算数値と比べて著しく変化している場合も調査に入られる可能性が高くなります。
① 売上高 ② 粗利 ③ 売上の増加以上に人件費が増加している ④ 最近社長が不動産など多額の資産を取得した法人 ⑤ 多額の貸倒損失を計上した法人 etc...
その他に特別な情報提供(タレこみ)があった法人も調査に入られる可能性が高くなります。

Q8.渋谷広志税理士事務所では、調査先に選定されないようどこに注意しているの?

当事務所では、まず調査に入られにくくすることを第一に考え、申告書の内容を2重チェックし、必要に応じ説明資料を添付しています。また、税理士法33条の2に基づく書面添付を活用するなどし、調査に入られることによる心理的な負担やコストの増加を未然に防ぐようにしています。

このコラムは、平成25年3月25日時点の法令により作成しているため、今後の法改正により異なる取り扱いとなる場合があります。
また、専門的な内容を判り易くするため、敢えて詳細な要件などを省略していることもあります。本コラムに記載されている内容を実行する際は、当事務所までご相談下さい。


  

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