医療法人設立・分院開設
医療法人設立
開業をお考えの先生、すでに開業されている先生の中で医療法人について関心のある方もいらっしゃると思います。
ここでは、医療法人と個人開業を比較することで、そのメリットとデメリットをお伝えします。
所得(税率)に係る税金の税率
個人開業 | 所得税・住民税 15.105%(195万円以下) ~ 55.945%(4,000万円超) の累進課税 |
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医療法人 | 法人税・地方法人税 17.595%(800万円まで) 27.2136%(800万円超) の2段階課税 |
注:社会診療報酬については事業税は非課税のため割愛しております。
所得税は7段階の超過累進課税税率をとっているため、課税所得が195万円を超えた段階で法人税の税率を超えてしましまいます。他にも考える点があるため、どの位の所得で医療法人になるかはケースバイケースですが、税率の格差は明らかです。
給与所得控除
個人開業 | ない |
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医療法人 | 医療法人から支給される給与(役員報酬)に対して 一定額(最高195万円)の控除がある |
医療法人から支給される給与に対して最高195万円の所得控除があります。例えば理事長先生の給与が5,000万円であれば、195万円が控除されるため、税金にして約100万円の節税になることもあります。
所得分散
院長先生に集中している所得をご家族に給与として支払うことで所得を分散することで節税を図ることができます。
支給にあたり、実際に働いている方に支払うことが大前提ですが、個人開業の場合は、支給対象者が他に働いてたり、学生だと原則として支給できないのに加え、支給額も税務署への届出の範囲までとされているのに対し、法人の場合は、実際に働いてさえいれば、世間相場並みの支給が可能となります。
事業展開が可能
医療法人を設立すると、分院の開設やデイケア施設など介護施設の開設も可能になりますので、多くの患者や利用者に医療サービスを届けることが可能になります。
退職金の支給
個人開業 | 自身に支給することができない |
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医療法人 | 支給することができる |
医療法人は、税率の違いや所得分散などで法人に蓄積した利益を退職金という形で勇退する理事長先生に支給することが可能です。
退職金は5年以上役員として勤務していれば、勤務年数に応じた退職所得控除後の2分の1にしか課税されないため、手取り額も多くなります。
このように記載すると医療法人化はメリットしかないと考えてしまいますが、医療法人化の手続きは煩雑で、監督官庁の申請受付時期も年に1,2回と限られています、
幣事務所では、医療法人化にあたり、まずは、お客様が考える課題及びご要望をお聞きした上で医療法人化を行った際の、税金の変化、各手続きの煩雑さを説明します。その後、法人成りシミュレーションを実施し、お客様が抱える課題やご要望を解決することに努めます。
分院開設
医療法人となり経営しているクリニックの運営が順調に推移すると、他の地域にも同様の医療サービスを提供すべく分院を検討することがあります。
分院を開設するには、常駐の管理医師を確保するほか、都道府県(又は政令指定都市)から許可取得などの行政手続きを経る必要があります。
幣事務所には、分院開設に関してもノウハウがありますので、分院開設をお考えの方はお問い合わせくださいませ。